今回は革の可塑性を利用してトレイを作成してみました。
可塑性(かそせい)とは、力を加えて革をまげた時にその形のまま固定されることを言います。といっても普通に革をまげただけではあまり形状は固定されません。水で濡らすことにより、この可塑性が強くなります。
- 物体に応力を与えたときに生じた変形が、応力を取り除いてももどらない性質。この性質は革の加工時における成型性と関係が強い。革は比較的可塑性がいいが、クロム革よりも植物タンニン革が良く、クロム鞣し後に植物タンニンで再鞣した革は、クロム革よりも良好である。また、革に熱や水分を与えることにより大となるので、製靴工程や、カメラケース、革工芸の製作などに応用される。革の試験法に半球状可塑性試験があり、JIS K 6546に規定されている。
- 引用:可塑性 | 皮革用語辞典
ということで今回はこの可塑性を使って簡単なトレイを作ります。革の特徴である可塑性を簡単に感じることができるので初心者におすすめ(自分もまだ初心者のレベルです笑
浅革トレイの作り方
早速作っていきます。今回用意するのは”革(6cm×8cm)“、”オールマイティープレート(硬くて四角いものなら可)“、”水“です。
1.革を用意する
まずは6cm×8cmに革を切ります。今回はABC(アビチ)で購入したタンニンなめしのヌメ革(キナリ)を使いました。605円で買いましたが使ったのは100円分くらい。
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2.折り曲げる場所をけがく
次に床面にけがきをいれます。左右上下を1cmずつ折り曲げるのでそれがわかるように鉄筆で薄く線を入れておきます。
3.水に濡らす
可塑性を高めるために革を水で濡らします。また水で濡らすことにより多少柔らかくなるのでまげやすくもなります。がっつり濡らした後はタオルやハンカチで軽く叩いて表面の水滴は拭いておきます。
4.革を曲げる
次に革をまげていきます。先ほど毛がいた線にオールマイティープレート(あるいは四角いもの)を合わせて折り曲げます。手で曲げるだけでも良いですが、まっすぐな硬いものを使って曲げたほうが綺麗にできます。
4箇所折り曲げると角が余るのでこのようなデザインになります。
5.革を乾かす
最後に革を乾かせば完成。
陽の当たる窓際に1日ほど放置しておきます。
乾かして出来上がったのがこちら。革の雰囲気を残したトレイが出来上がりました。
使い方に合わせてサイズを大きくしたり、深くしたりすることもできます。耳(4角の余った部分)を縫ったりハトメをつけたりしてデザインするのもありですね。
浅革のトレイは革の可塑性を肌で感じることができるため1度作ってみると面白いですよ。是非作ってみてください。